リンコルで扱う布はすべてアジア各国で生産されています。
タイ、インドを中心に、ラオス、ミャンマー、ネパール、バングラディシュ、ベトナム、インドネシア、マレーシア・・・。ほぼアジア全域を旅して回りながら集めた布たちです。
できるだけ生産地に足を伸ばし、実際に作っている人から手に入れるよう努めています。
どんな人が、どんな場所で、どんな家に暮らし、どんな作業場で作っているのか。できればそんな来歴のわかる布を扱いたいと願っています。
布の一部をご紹介します。
カンタ インド西ベンガル州
綿やシルクの生地にびっしりと刺繍が施された布です。サリーや大判のショールなどとして作られたものが多く、国の伝統工芸士として顕彰されているサハチャ女史の作品をメインに揃えています。一度もハサミを入れたことがなく、布としての販売のみ。
タイ・ルー族浮織 北タイ
ラオスにも多く居住するタイ・ルー族の浮織は精緻で美しく、特に古いものは糸の染めが天然染料によるもののため味わい深いです。
絣織りなどインドシナの手織り布
写真はタイ東北部コーンケン県の絣織り。
タイ北部、東北部、ラオス中部などの手織り布はいわゆる生活の布であり、使いやすいものが多くあります。生産者は減少し続けています。
カディ インド全域
手紡ぎ手織りの主に木綿布です。
インド独立運動の頃に、ガンディーが「本来の我々に戻ろう」というスローガンを掲げ、質素な家に暮らし、糸を紡ぎ、布を織ったのはつとに有名です。
そんな歴史的背景を持つ布、カディ。
公営のお店もあり、今も政治家たちはカディの服を着ているそうですよ。
タッサーシルク生地 インド全域
野の蚕から生まれる布です。タッサーというのは蚕の種類で、ほかにもムガ、エリ、マルベリなどの野蚕布も。
写真はタッサー、ギッチャー。
糸を引いた後に残る部分から紐のような糸を取り、織られた無骨な布です。
古布
写真はタイ北部モン族の手仕事布。パッチワークの一種です。
アジア全域を旅しながら、古いものも集めています。
木版更紗 インド
主にラジャスタンの木版更紗を集めています。
大きな布に木製のハンコをぺたぺたと、ひたすら押していく根気のいる作業です。産地では女性も男性もこの仕事をしています。
少数民族の手織り布
写真はラオス南部の村で作られているビーズ織り。
アジア全域でこのように作られている少数民族の布を探しています。
手描きバティック
インドネシアの主にジャワ島で作られている手描きのバティックを集めています。溶かしたロウを小さなペンのようなものに移して描いていく、細かな仕事です。暑い土地でよくできるものだと感心してしまいます。
私のアジアへの旅は1988年から。既に30年を越えました。
最初の頃はお土産としての布を買っていただけで、今思えば本当に
もったいないことをしたなぁと思われてなりません。
もしあの頃に戻れたら・・・。
財布が空になるまで買って買って買い続けるのに。
過ぎたことを悔やんでも仕方がないですね。
せめて今、まだそこに残っているものを探し続けたいと思います。
アジアの布はどんどん消え始めています。
物価も上がり、布を買い付ける人も減りました。
私もどこまで頑張れるかわかりませんが、まだもう少し、
旅を続けようと思います。
そう思えるのは、私は本来ただの旅人であり、
今もそうであるから、かもしれません。
私の旅の記録はこちらに置いています。おいおい整備していきますので今はあるものでお許しを。